双葉町長、国の問題点指摘
福島原発ニュース
朝日新聞 2012年01月31日
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001201310001
●国会の原発事故調査委で
東京電力福島第一原発事故の原因を検証する国会の事故調査委員会の第3回委員会が30日に開かれた埼玉県加須市の施設。参考人の井戸川克隆・双葉町長は、震災直後の原発事故の情報不足や、国などから住民避難の経路指示がなかったことなどを改めて説明した。
井戸川町長は、情報提供や避難指示がなかったことなど、政府の初動対応の問題点を指摘。事故対応拠点のオフサイトセンターが機能しなかったことなど原子力安全・保安院への疑問も投げかけた。双葉郡内への中間貯蔵施設の設置案については、「郡内設置の理由が不明確。
最終処分場の問題もあり、よくよく慎重に対応しなければならない」と反対姿勢を強調した。 委員会後、委員と双葉町民との意見交換会「タウンミーティング」が開かれ、約100人の町民が参加した。小学5年の娘と加須市内に避難する女性(36)は「原発事故想定の防災訓練が全く役に立たなかった」と、問題点を指摘した。
埼玉県上尾市に避難しながらもコメづくりを再開した専業農家の男性(62)は「まさか原発事故が起きるなんて思ってもいなかった。多くの町民もそうだった」と、町内に安全神話が浸透していた状況を訴えた。
国会の調査委は、政府の調査委とは別の立場から事故に至った経緯の解明や原発のリスク、コストの検証を目指している。民間委員10人が任命され、6月までに報告書をまとめる。