放射性セシウム:カリウム入り肥料使うと低減…水稲で実験
福島原発ニュース
毎日新聞 2012年2月27日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120227k0000m040066000c.html
放射性セシウムに汚染された田んぼに、植物に吸収されやすいカリウム入りの肥料をまくと、玄米に取り込まれるセシウムを抑えられることが、中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)の研究で分かった。土壌の特性で異なるが、最大で玄米のセシウム濃度を半減できたという。
◇玄米の取り込み抑制
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質に汚染された福島、茨城、栃木、群馬の各県の水田計5カ所で肥料などの条件を変えて、玄米への吸収状況を調べた。
その結果、従来の3倍のカリウム化合物をまいた水田では、土壌から玄米に移る放射性セシウム濃度が6~46%減ることが分かった。セシウムとカリウムは化学的な性質が似ているため、代わりに吸収されたとみられる。
土壌中のカリウム化合物の量は100グラム当たり25ミリグラムが最適で、これ以上になると目立った効果は得られなくなった。従来の水田ではカリウム化合物の目標値が同15~30ミリグラムとされており、カリウム化合物が過剰になることはない。
センターの加藤直人上席研究員は「今年の作付けに反映してほしい」と話す。【安味伸一】