「仮の町」いわきに要請 大熊・富岡・浪江、町ごとに復興住宅
福島原発ニュース
毎日新聞 2012年08月29日
原発事故の影響で5年以上の長期避難を強いられる福島県双葉郡の大熊、富岡、浪江の3町長は28日、住民が集団移住する「町外コミュニティ(仮の町)」設置を同県いわき市に初めて要請した。町ごとに入居する災害公営(復興)住宅の建設が柱で、戸数や場所は国・県を交え協議する。3町と同市は文化・歴史的にもつながりが深く、市への設置を望んでいた。
市内であった同郡8町村長らと国、県の意見交換会で、3町は「町民アンケートで7割が希望するいわき市に建設をお願いしたい」(渡辺利綱・大熊町長)などと要請した。同様に「仮の町」を検討している双葉町は、アンケート結果が出ておらず要請を見送った。
渡辺敬夫市長は「約2万3000人の避難者を受け入れ、民間住宅や医療・福祉施設がオーバーフローし市民感情も悪化している」と現状を説明。その上で、市民との交流促進を考慮し、災害公営住宅を市内の複数箇所に建て、町ごとに入居してもらう「分散型」を提示した。国・県も了承したという。【中尾卓英】