避難準備区域の解除後 帰還11%とどまる
福島原発ニュース
20012年10月1日
福島第一原発の事故のあと、指定された「緊急時避難準備区域」が解除されて1年がたちましたが、これらの地域で避難した人のうち自宅に戻った住民は、全体のおよそ11%にとどまっていることが、NHKのまとめで分かりました。
「緊急時避難準備区域」は、原発事故のあと、異常事態に備えて避難の準備が求められていた区域で、原発から半径20キロから30キロの範囲に設けられました。
南相馬市や広野町など5つの自治体が指定され、一時、住民の半数に当たる2万9200人が避難しました。
避難準備区域は去年9月末に解除されましたが、NHKが各自治体に取材したところ、避難した住民のうちこれまでに元の自宅に戻った人は5つの自治体で合わせて3301人と、およそ11%にとどまっていることが分かりました。
このうち南相馬市では、市が区域内の住民の年齢構成を震災の前後で比較したところ、65歳以上の高齢者の割合が25%から32%に増えた一方で、14歳以下の子どもは13%から8%に減少し、若い世代の帰還が進んでいないことが分かりました。
また、除染が最も進み住宅の9割以上で終わっている広野町でも、戻った住民は505人と避難した人の9.6%にとどまっていました。
各自治体は、避難先で学校や職場などの新たな生活基盤が築かれつつあることが大きな要因だと分析し、今後、住民の帰還をどう促していくのかが課題だとしています。
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121001/k10015423191000.html