鉛カバー指示で書類送検 原発作業で会社社長、労安法違反疑い
福島原発ニュース
日本経済新聞 2012年12月7日
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG07019_X01C12A2CC0000/
福島労働局富岡労働基準監督署は7日、東京電力福島第1原発事故の収束作業で、線量計を鉛カバーで覆い、正確な被ばく線量の測定をしなかったとして、建設業「アクセス青森」(青森県おいらせ町)と同社の男性社長(55)を労働安全衛生法(事業者が講ずべき措置など)違反の疑いで書類送検した。
福島労働局によると、アクセス青森は作業を請け負った福島県の建設会社「ビルドアップ」の子会社で、第1原発構内で淡水化処理水のホースに凍結防止の保温材を取り付ける工事を担当。
送検容疑は昨年12月1日、警報付き線量計(APD)の機能を狂わせるため、作業員4人に対し、鉛カバーをAPDに装着させて作業をさせ、正確な被ばく線量の確認をしなかった疑い。
福島労働局は鉛カバーを付けたのは、線量計の数値を低く見せ掛けるためだったと判断。労働局によると、社長は「アラームを鳴らさないためだった」として、低く見せる意図を認めている。
線量計の鉛カバー問題で福島労働局は7日、違反行為を防止するため十分な措置をしなかったとして、東電など3社に対し、7日中に再発防止を指導すると明らかにした。〔共同〕