浪江町が町民の染色体検査 来年から
福島原発ニュース
読売新聞 2012年12月26日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=70266
福島県浪江町は原発事故発生時に18歳以下だった町民を対象に、染色体を検査することを決めた。来年1月から希望者に実施する。放射線被曝(ひばく)による健康不安の払拭につなげてもらうのが目的で、町によると、染色体の検査は県内初の試み。
検査は、健康分野などで町と連携協定を結んでいる弘前大(青森県弘前市)の被ばく医療総合研究所が協力する。同大の吉田光明教授(細胞遺伝学)によると、血液を調べることで染色体異常の有無がわかる。内部被曝線量を調べるホールボディーカウンター(WBC)では半減期の短い放射性ヨウ素を測りづらいが、染色体に異常があれば、事故直後の被曝線量がより正確に推計できるという。
ただ、染色体検査は、異常がないことで安心してもらうことが主な狙い。
吉田教授は「被曝により健康不安を抱えている親子は多い。検査によって健康不安を解消したい」としている。
事故発生時に18歳以下だった町民は約3700人おり、22日までに約170人から希望が寄せられた。検査結果の判明には半年ほどかかる見通し。
染色体には、細胞の複製に必要な遺伝情報が含まれている。