第2次安倍内閣:新首相誕生 県内からも注文 絆強化、経済立て直し… /栃木
福島原発ニュース
毎日新聞 2012年12月27日
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20121227ddlk09010052000c.html
安倍晋三新首相が誕生した26日、県民や政党関係者からはさまざまな注文が聞かれた。東京電力福島第1原発事故に伴う県内の課題解決に向けては、地方との絆の強化を求める声があった。また、「まずは経済の立て直し」と、不況や雇用問題の解決を求める声も目立つ。そんな中、衆院栃木5区選出の茂木敏充氏が経済産業相に起用され、地元からは歓迎と期待が寄せられた。【岩壁峻、太田穣、中津成美】
◇各党の反応
「実行力のある内閣ができたのではないか」。閣僚の顔ぶれに、自民党県連の石坂真一幹事長はそう評した。切迫する問題の筆頭に地域経済の不振を挙げ、茂木氏はじめ、経済政策に精通した議員が脇を固めたとして「重厚感が出た」と期待した。ただ、原発事故による風評被害や指定廃棄物の処理など「山積する放射性物質関連の問題には物申していく」とも付け加えた。
連立を組む公明党県本部の山口恒夫幹事長は「与党として謙虚な姿勢と、実績を積み重ねる積極性の両面が必要だ」と話す。その上で「国防軍」創設や憲法9条改正といった自民の急進的な動きの「ブレーキ役になるべきだ」とした。
衆院選の大敗で下野した民主党。新政権に、県連の松井正一幹事長は「経済問題や東日本大震災、原発事故の国難を乗り切るよう頑張ってほしい」と述べた。民主の今後については「多難なことは否定できないが、野党として政権を監視し、生活者の視点に立った政治を貫くことはあきらめない」と強調した。
福田富一知事は「震災復興、経済・雇用政策の実施、地方分権改革の断行などの重要な課題に対し、地方との意思疎通を図ってもらいたい」とコメントした。
◇県民の声
宇都宮市の女性会社員(69)は「テレビを見ていると、安倍首相は英雄気取り。一度辞めているので今度こそ責任を全うしてほしい。その責任の重みを感じて被災地の復興を真っ先に取り組んでほしい」と注文した。
同市の女性(25)は「雇用の求人誌を見てもアルバイトが多い。正社員を雇わないで済ませている企業が多いんじゃないかと思う。不景気と雇用問題をなんとかしてほしい。そうしないと明るい未来はない」と求めた。
鹿沼市の行政書士の男性(41)は「安倍政権には前回の経験を生かしてくれると期待している。尖閣諸島問題などのこれまでの外交政策がふがいないので、なんとかしてほしい」と期待した。