仮のまち、除染、立候補予定者らが持論
福島原発ニュース
●28日告示の双葉町長選で、公開討論会
東京電力福島第一原発事故で町全域が警戒区域となり、役場を埼玉県加須市に移している双葉町。新たなかじ取り役を選ぶ町長選が28日に告示される。前町長、前町議ら町内外から計7人が26日までに立候補を予定し、混戦となるのは確実。町の未来を決める選挙の投開票は3月10日。2月3日現在の有権者数は5376人。
町長選を前に、立候補予定者を集めた公開討論会が26日、郡山市内であった。浪江青年会議所の主催で、町民ら約200人が参加。立候補予定者は仮のまちや除染、中間貯蔵施設など町が直面する課題などについて持論を述べた。
前町議の伊沢史朗氏(54)は「全国に避難した町民の意見をどう集約するか。小学校の建設など課題については、保護者の意見を踏まえ、町民の負託を受けた町議と協議しながら進めたい」と話した。
元町議の尾形彰宏氏(55)は一時帰宅時に見た双葉町の状況を述べ、「ふる里を取り戻す。福島双葉のブランド商品をつくって販売していく。常磐道や国道6号の除染もやって結果を情報公開する」と話した。
山梨県の看護師、染森信也氏(52)は技術者の経験があるといい、「廃炉を進め、放射性廃棄物を引き受ける。一つの仮のまちは無理。現実を見て、一人ひとりのニーズをすりあわせる」と話した。
前町長の井戸川克隆氏(66)は復興の遅れを問われ「どう遅れているのか、逆に聞きたい」と反論。「町民に不利益になることはない計画を立てる。除染費用を生活再建に回す議論を双葉町からやるべきだ」と述べた。
千葉県の団体職員、久保添隆資氏(60)は「国の補助金を、お金を生み出すことに投資すべきだ。町内に太陽光発電、がれきの保管庫を造って電気を売り、保管料を取る。世界一裕福な双葉町をつくる」と発言。
福島市の元県議、丹野恒男氏(71)は「福島市松川町に300ヘクタールの敷地を用意して一つの仮のまちをつくる」と腹案を披露。「近くの県立医大で健康管理ができる。2年以内に新しい町をつくる」と話した。
横浜市に住む会社役員の笹田淳氏(47)は「今、除染をする必要はない。上辺だけ取り繕って帰れというのはない。双葉町を歴史保存し、ほかに新しい町をつくる」と話したが、討論会後に立候補しないと表明した。
町長選には討論会に出た6人のほか、横浜市の会社役員、荒井英夫氏(54)が立候補を表明している。
毎日新聞デジタル
http://www.asahi.com/area/fukushima/articles/MTW1302260700009.html