福島県で避難区域内の人に情報伝達訓練
福島原発ニュース
NHKニュース 2013.12.26
東京電力福島第一原発事故の避難区域に一時立ち入りしている住民や作業員に、再び原発で事故が起きた場合にどのように避難を呼びかけるか、手順などを確認する初めての訓練が行われました。
福島県によりますと、原発事故の避難区域には、1日に7500人ほどの住民や除染作業員が滞在しているとみられますが、帰還困難区域を除いて届け出の必要がないためどこに何人の人が入っているか正確には把握できていません。
こうしたなか、再び原発で事故が起きた場合に、こうした人たちに避難の情報などを伝えるための訓練が26日、原発周辺の5つの町や国、県などの担当者が参加して初めて行われました。
訓練は、震度6強の揺れの地震で福島第一原発と第二原発の使用済み燃料プールから水が漏れ出し、政府が避難指示を出すという想定で行われ、職員が滞在している楢葉町の役場では、防災行政無線を使って立ち入っている人たちに事故の発生を伝えました。
一方、防災行政無線が使えなくなっている大熊町では、立ち入る住民に渡しているトランシーバーを通じて連絡を取ったりパトカーなどが町内を回ったりして、避難を呼びかけました。
このほか、携帯電話会社と協力して周辺の町にいる人たちに緊急の速報メールを配信する訓練も行われ、メールを受け取った人は「2年前の事故を思い出し、恐ろしさがよみがえってきました。訓練は想定外のことも起こると考えて行ってほしい」と話していました。