浜通りの将来像研究
福島原発ニュース
朝日新聞 2014年01月15日
●初会合「新しい福島 起爆剤に」
浜通りを国際的な廃炉技術の研究開発やロボット産業の拠点にすることを検討する研究会の初会合が21日、福島市内であった。東電福島第一原発の廃炉に必要な技術を集積するとともに、産業や雇用の創出を通じた一帯の復興策を検討する場と位置づける。
研究会は、政府の原子力災害現地対策本部の赤羽一嘉本部長(経済産業副大臣)がとりまとめ役。内堀雅雄副知事や浜通りの首長ら、石崎芳行・東電福島復興本社代表らが出席した。
会合では、赤羽氏が今月訪れた米国・ハンフォード核施設周辺で、新たな産業が創出されていると説明。「この研究会を国の政策の中心に据え、新しい福島を作る起爆剤に」と話した。
その後、会合は非公開で進行。現地対策本部によると、同本部側が廃炉研究の国際的な協力方法や廃炉に必要なロボットの研究施設などの検討課題を列挙して参加者の意見を募ったという。また、ロボット技術を競う国際コンテストの開催や、災害がれきのリサイクル拠点の整備も課題として挙がった。さらに、第一、第二原発を震災遺構として保存することも今後、検討するとした。
出席した双葉地方町村会長の渡辺利綱・大熊町長はこの日の議論について「復興に弾みがつく。ぜひ実現を期待したい」。南相馬市の桜井勝延市長は「被災地を新たな感覚で復興するという点は評価できる。浜通り全体で進めていければと思う」と話した。