飯舘村が除染推進課を新設 来月1日村本庁舎に
福島原発ニュース
福島民報 2014年3月7日
東京電力福島第一原発事故で全村避難している飯舘村は、環境省の直轄除染の迅速化に向け、4月1日に村本庁舎に除染推進課を新設する。5日に開会した村の3月定例議会に条例改正案を提出した。本庁舎に課が配置されるのは、23年6月に役場機能を福島市飯野町に移転し、全村避難が完了して以来、初めて。
今月末に終えるはずだった村の除染は大幅に遅れている。帰還困難区域の長泥行政区を除いた地域では、住宅環境周辺が来年3月末、農地が平成28年度内に終了する計画に見直された。除染推進課は環境省を支援し、期間内の完了を目指す。
役場機能は福島市飯野町に移転しているが、除染推進課は除染現場に近い村の本庁舎に置き、課題に素早く対応する。農政や村営住宅の維持管理など復興全般を担当している復興対策課も4月1日から本庁舎に移る。
除染推進課の職員数は未定だが復興対策課と合わせて20人程度になる見込み。職員は避難先から通勤する。
菅野典雄村長は「除染や復興を担当する課を戻し、古里の再生を早めたい」と話している。一般会計当初予算など15議案を提出 飯舘村議会開会
飯舘村の3月定例議会は5日、福島市の飯野出張所で開会した。会期を19日までの15日間と決めた後、菅野典雄村長が61億8千万円の平成26年度一般会計当初予算など15議案を提出し、理由を説明した。
当初予算案の金額は過去最高。4割に当たる27億6千万円が復興対策費となった。主な当初予算は、居住制限区域の村草野行政区にある公民館を新築する建設費として約7億3千万円。東日本大震災で破損したため、取り壊して来年9月までに完成させる。子育て支援センターの建設費として約9千万円も計上した。
福島市街地周辺に仮設の建物を整備し、今年夏以降の開所を予定している。