東北の相続税申告 4割”土地が被災”
福島原発ニュース
2012年4月23日
東日本大震災の発生で期限が延長されていたおととしの分の相続税の申告がまとまり、東北地方で課税対象となった人の40%近くに当たるおよそ700人が、相続した土地が被災したとして、評価額を引き下げるための路線価の調整率を適用して申告を行ったことが分かりました。
不動産や預金、株などの遺産を相続した人は、相続から10か月以内に相続税の申告をしなければなりませんが、震災の被災者については、特例でことし1月11日に申告期限が延長されていました。延長された期限までに行われたおととしの分の相続税の申告を仙台国税局がまとめたところ、東北地方の6県で多額の遺産を相続したとして課税対象となった人は1768人でした。
このうち40%近くに当たるおよそ700人は、相続した土地が被災したとして評価額を引き下げるための路線価の調整率を適用して申告を行ったということです。調整率は去年11月に国税庁が出したもので、引き下げ率は最大で80%になっています。また、福島第一原発周辺で警戒区域などになった土地については、地価をゼロとして税務申告することを認めています。
課税対象となった遺産の総額は3068億円、相続税の総額は241億円でいずれも平成6年の税制改正以降、最低となりました。国税局は「次の平成23年分の申告では震災で亡くなった人の遺産を相続するケースが出ることから、より多くの人が調整率を適用した申告を行うのではないか」としています。
NHK NEWS WEB