両陛下 川内村訪問…住民から感激の声
福島原発ニュース
読売新聞 2012年10月14日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20121013-OYT8T00947.htm
「体は大丈夫ですか」「早く家族と暮らせるといいですね」――。
13日に川内村を訪問した天皇、皇后両陛下は、原発事故による避難から戻った住民の生活を気遣われた。住民からは「川内に来ていただけるなんて」「勇気づけられた」との感激の声が相次いだ。
両陛下の県内訪問は、昨年5月に福島市や相馬市などに入られて以来。村によると、村内では約750人と見込まれる帰村者より多い約1100人が、日の丸の小旗を手に歓迎した。
村立川内小で最前列にいた同小5年生の西山結花さん(11)は、「私たちの学校にいらっしゃるなんて。優しいお顔だった」と感慨深げ。教諭らには、天皇陛下が「運動会も見ましたよ、できて良かったですね」、皇后さまが「子供たちのことをよろしくお願いします」と声をかけられたといい、5年生担任の力丸貴子教諭(36)は、「開催して本当に良かった」と話した。
随行した遠藤雄幸村長は「両陛下は除染や健康管理のことなどをよくお調べになっていた。避難者の元気になり復興の励みになった」と述べた。
早渡地区では、高圧洗浄機を用いた屋根の除染作業の様子などを視察された。郡山市から村に通う無職新田スミ子さん(66)は、皇后さまから「早く一緒に家族が暮らすことができればいいですね」と言葉を掛けられ、「優しい言葉で本当に勇気づけられた」と目を細めた。
1月に帰村した無職今野秀男さん(80)も「ここまで来られるとは思わなかった。感無量です」と話した。下川内地区の仮設住宅では、両陛下は住民の前で約30分間立ち止まられた。両陛下から「お体は大丈夫ですか」などといたわりの言葉を掛けられた猪狩律子さん(82)は、「感激して涙が出た」。
菅波勇己さん(73)は天皇陛下から「ご自宅に近い場所に住めて良かったですね」とねぎらわれ、「お会いできるとは夢にも思っていなかった。避難生活の励みになる」と話していた。