上部吹き飛んだ4号機にカバー 福島第一原発の構内公開
福島原発ニュース
朝日新聞 2013年6月12日
http://www.asahi.com/national/update/0611/TKY201306110508.html
【香取啓介】東京電力は11日、廃炉作業中の福島第一原発の構内を報道陣に公開した。水素爆発で建屋上部が吹き飛んだ4号機は、使用済み核燃料を取り出すためのカバーが完成。原子炉の冷却の信頼性を高める対策も進められていた。
4号機は事故当時、定期点検中で原子炉は止まっていたが、大量の熱を出す使用済み核燃料1533本が今も建屋内のプールに残っている。東電は今後、建屋カバーに燃料つり出し用のクレーンを設置する。11月から取り出し作業を始め、来年末には終える予定という。
今回、1~3号機の海側にある復水貯蔵タンクの取材も初めて許可された。発電のためにタービンを回した蒸気を水に戻し、ためておくタンクで、震災時の津波でも壊れなかった。
1~3号機は現在、溶け落ちた核燃料を冷やすため、建屋にたまった汚染水を、放射性物質や塩分を取り除いたうえで高台にある容量1千トンの一時タンクにためて循環させている。全長約4キロある応急設備だが、復水貯蔵タンクを再利用する新たなルートの工事がほぼ終了した。