水産物調査、原発南側で高い放射性物質
福島原発ニュース
朝日新聞 2012年02月03日
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000001202030002
●メバル高く、カニやタコ低い
海水や魚介類の放射性物質を調べている県水産試験場は2日、相馬市総合福祉センターで、調査結果を基にした説明会を開いた。相馬双葉漁協の組合員約100人が参加した。
県水産試験場は昨年4月から今年1月にかけ、海水や海底土、魚介類などに含まれる放射性物質をモニタリングし、汚染状況や数値の変化を調べている。
説明によると、海域別では福島第一原発より南側の、水深50メートルより浅い一帯の水産物から、比較的高い濃度が検出されている。100メートルより深い海域では総じて低いが、エゾイソアイナメ(ドンコ)とマダラは高い数値が出ているという。海底土を調べると、浅い海域は昨年5月時点に比べて低下しているが、水深30メートルより深い一帯は8~10月に高い数値が検出されており、深い海域への拡散傾向がうかがわれるという。
魚種別では、メバルの仲間が依然として高いまま。逆にエビ・カニ類やイカ・タコ類、回遊性浮魚のカンパチなどは低く、魚種によって差が出た。
食物連鎖による放射性物質の移行を考慮し、餌の生物も調べた結果、ヤナギムシガレイなどの主な餌になる沖合の多毛類(ゴカイの仲間)が比較的高く、今後の動向を注視する必要があるとしている。
質疑では「調査場所を増やしてほしい」などの意見が出た。説明会は3日も新地町で開かれ、いわき地区での開催も検討している。