汚染汚泥や焼却灰 栃木に処分候補地
福島原発ニュース
9月3日 12時4分
汚染汚泥や焼却灰 栃木に処分候補地
原発事故で広がった放射性物質を含む汚泥や焼却灰などについて、環境省は3日、栃木県に対し、県内の汚泥などを運び込む最終処分場を、矢板市にある国有林を候補地として提示しました。
国は、宮城や茨城など4つの県でも候補地の選定を進めていますが、具体的に候補地を示したのは初めてです。
これは、環境省の横光副大臣が3日午前、栃木県庁で行われた福田知事との会談で明らかにしたものです。
原発事故の影響で広がった放射性物質に汚染されたごみの焼却灰や汚泥のうち、放射性セシウムの濃度が1キロ当たり8000ベクレルを超えるものについては「指定廃棄物」として国が直接、処理することになっていて、これまでに9つの都と県で4万2000トン以上がすでに指定されています。
このうち栃木県では、指定廃棄物を含む汚泥などおよそ9000トンが下水処理場などに保管されたままになっていて、環境省は、ことし4月、県内の国有地に埋め立て用の最終処分場を新たに建設する方針を示し、県や自治体との調整を進めていました。
3日の会談で横光副大臣は、矢板市塩田大石久保にある国有林およそ4ヘクタールを、県内の汚泥などを運び込む最終処分場の候補地として提示しました。
理由について、環境省は、十分な広さを確保できることや、住宅や水源などから離れていて周辺への影響が少ないなどの条件を満たしているためだとしています。
今後、候補地周辺の住民に対し、説明会を開き、施設の安全性と必要性を説明していくとしています。
福島県以外の指定廃棄物の処理を巡って、環境省は、栃木県のほかにも宮城、茨城、群馬、千葉の4つの県に対して最終処分場の建設について協力を要請していて、具体的に候補地を示したのは初めてです。
このうち、環境省は、現地の調査が進んでいる宮城、茨城、千葉については今月中に候補地を選び、地元に提示したいとしています。
栃木県知事”県としても検証”
会談のあと、栃木県の福田知事は「栃木県は下水道の汚泥や焼却場から出た灰など指定廃棄物が福島県に次いで多く、その処理に困っているのが現状です。
速やかな処理のためには処分場の確保が必要なので、国による処分場建設を支援していきますが、今回の場所がよいのかは県としても検証していく必要がある」と話しました。
また、福田知事は今後、国や矢板市、それに地元住民と円滑に話しを進めていくため、県庁内に連絡会議を設置するよう指示したということです。
NHK WEBニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120903/t10014733801000.html