福島大、来月にも環境放射能研新設 動態メカニズム解明へ
福島原発ニュース
毎日新聞 2013年03月07日
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130307ddlk07040080000c.html
福島大は6日、福島第1原発事故で拡散した放射性物質の自然界での動態を調査する環境放射能研究所を来月にも新設すると発表した。筑波大や東京海洋大なども研究所の運営メンバーに加わり、温帯地域での動態メカニズム解明を目指す。
福島大によると、チェルノブイリ原発事故で深刻な影響を受けたウクライナやベラルーシは年間降雨量500ミリ程度。だが、県内は3倍近い1400ミリと多く、地形も険しいため、長期的に放射性物質がどのように移動するのかまだ解明されていない部分が多い。研究所では、放射性物質の環境中での動態だけでなく、食物連鎖を通じて動物に移行するメカニズムなども研究し、将来的には汚染防止対策や農業・漁業分野に知見を活用したい考えだ。
研究員は常勤や公募を合わせ約30人体制になる予定で、海外の大学・研究機関とも協力する。高橋隆行副学長は「動態を調べるためには長期間の調査が必要だ。世界の英知を結集し、解明を進めたい」と話した。【蓬田正志】