いわき市で住宅地価上昇、避難者らの移転需要で
福島原発ニュース
読売新聞 2013年3月22日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130322-OYT1T00349.htm?from=ylist
国土交通省が21日に公表した公示地価(今年1月1日時点)で、福島県いわき市の住宅地の平均変動率はプラス0・7%となった。
津波被害を受けた市民や、福島第一原発事故で避難している双葉郡の住民の移転需要が増えたためで、上昇率が10%を超えた地点も2か所あった。県内の住宅地で地価が上昇したのは、1999年の旧北会津村(現会津若松市)の1地点以来14年ぶり。
県内全体の平均変動率はマイナス1・9%と21年連続で下落したが、前年より4・5ポイント改善した。用途別では住宅地マイナス1・6%(前年マイナス6・2%)、商業地同3・2%(同7・2%)。いわき市を中心に不動産市場が活発化している影響で、全ての用途で下落率が前年より縮小した。
前年と比較可能な住宅地280地点のうち、いわき市36地点、福島市2地点が上昇した。上昇率が最大だったのは、新興住宅の開発が進む「いわき市泉もえぎ台1の25の8」の10・7%で、「いわき市中央台鹿島1の5の3」が10・6%と続いた。
商業地でも、98年以降全地点で下落が続いていたが、「いわき市平童子町4の10」と「郡山市南1の54」の2地点が15年ぶりに横ばいとなった。県はいわき市の地価高騰について、市内の被災者や双葉郡からの避難者らの移転需要が高まり、以前から人気のあった鹿島街道沿線や周辺地域の需要が拡大していると分析。「今後も需要は増えていく」と予測している。