避難生活のお年寄り 白川村に招待 震災復興「めどがつくまで支援」
読売新聞 2013年5月20日 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20130519-OYT8T00657.htm 福島第一原子力発電所の事故で、計画的避難区域に指定され、全村避難となっている福島県飯舘村のお年寄りを今秋、白川村に招くことで両村が合意した。東日本大震災で被災した子どもたちを受け入れる取り組みは各地で続けられているがお年寄りは少なく、同村では「仮設住宅に住む高齢の方々の気分転換になれば」と生活意欲の向上につながることを期待している。(赤塚堅) 両村は、NPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟し、相互交流を深めており、白川村の成原茂村長が今月15、16の両日、飯舘村役場飯野出張所がある福島市を訪れた。 成原村長は仮設住宅に暮らす飯舘村の高齢者から「復興のめどが立たず、いつ村に戻れるのか分からないのが苦しい」「先祖が苦労して築き上げてきた村を守り、後世に引き継ぎたいが、今はそれがかなわない」といった切実な声を聞き、お年寄りの招待を飯舘村の菅野典雄村長に持ちかけた。菅野村長は「支援や心遣いはうれしい」などと感謝の言葉を述べたという。 旅費は白川村が負担し、約30人を9月25日~28日の3泊4日で招待する予定。同村平瀬地区で開かれる「どぶろく祭り」の見学も企画している。 白川村は、飯舘村が発刊した村作り紹介の書籍「までいの力」を20冊購入し、同村の復興費に充てられた。白川村職員互助会は高機能マスク300枚を送る支援をしてきた。 福島県内の子どもたちを村内に招待しており、お年寄りの受け入れは数年間の継続を目指す。成原村長は「避難生活をしている人たちは、父親の単身赴任や、お年寄りの仮設住宅住まいで家族がバラバラになっているうえ、農業や畜産業もできない。復興のめどがつくまで支援したい」と話している。 NPO法人「日本で最も美しい村」連合 美しい風景が残る自治体が集まり、景観や祭り、地域文化の継承といった活動を続けている。2005年に7町村で始まり、12年10月までに43町村6地域に広がった。1982年にフランスで始まった「最も美しい村」運動をモデルにしている。