建屋カバー取り外し8か月遅れ
福島原発ニュース
NHK NEWS WEB(2014年10月16日)
放射性物質の飛散を防ぐための福島第一原発1号機の建屋を覆うカバーの解体をめぐり東京電力は、今月22日から安全に取り外すための予備調査を始めることになり、カバーの解体は、当初よりも8か月遅れの早くても来年3月の開始になる見通しを明らかにしました。
これによって、1号機の廃炉工程への影響が懸念されます。
福島第一原発1号機では、燃料プールの使用済み核燃料を平成29年度から取り出すことを目指していて、取り出しに向けて建屋を覆うカバーを取り外し、水素爆発によって発生したがれきなどの撤去作業を行う計画です。当初、カバーの取り外しはことし7月から始める予定でしたが、去年、3号機で行われたがれきの撤去の際に、放射性物質を含んだちりなどが周辺に飛散していたことがわかり地元の自治体を中心に不安の声があがり、計画の見直しが求められていました。
その結果、まず安全性を確認するための予備調査を行うことになり、東京電力は、カバーの解体を調査の結果を踏まえて、当初よりも8か月遅れの早くても来年3月の開始とする新たな計画をまとめました。
予備調査は、今月22日から開始し、カバーの屋根に穴をあけて、ちりが舞わないよう飛散防止剤をまいた上で、今月中にもカバーの一部を取り外し、周辺への影響を確認するということです。
東京電力は、「現時点で1号機の燃料取り出しの予定に変更はない」としていますが、カバーの解体の遅れによる1号機の廃炉工程への影響が懸念されます。