東日本大震災:仮の町整備に500億円 中通り定住支援100億円−−国予算案、最終折衝 /福島
福島原発ニュース
毎日新聞 2013年01月28日
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20130128ddlk07040071000c.html
国の来年度予算案で27日、福島第1原発事故の長期避難者が集団移転する「町外コミュニティー(仮の町)」整備に約500億円、中通りなどの人口流出を防ぐ賃貸住宅の建設などに約100億円が盛り込まれることが決まった。27日に麻生太郎財務相と最終折衝した根本匠復興相が発表した。予算案は29日に最終決定され、それぞれ▽長期避難者生活拠点形成交付金(仮称)▽福島定住緊急支援交付金(同)として盛り込まれる見通し。
「生活拠点」は、災害公営(復興)住宅を中心とする「仮の町」の整備にあてられるもの。復興住宅の建設費の他、建設に伴う道路改良、学校、公園、市民農園などのインフラ整備も対象に含まれる。また、受け入れ先自治体の住民との交流事業やスクールバスの運行など、ソフト事業も対象となっている。
「仮の町」は主に浪江、双葉、大熊、富岡の4町がいわき市などへの整備を検討し、県、国を交えて協議中。希望者数などを把握するため、現在、アンケート調査などが行われているが、全体像はまだ見えてこない。これまで具体化しているのは、先行モデル事業として県がいわきなど3市に建設を計画している500戸分だけ。建設費などは、昨年11月、約25億円が国の復興交付金の配分に盛り込まれた。
一方、「定住支援」は主に中通りなどで原発事故の影響により、人口流出が続く地域が対象。 子育て世代の支援を目的に、賃貸住宅の整備やプールなどの建設を行うもの。
各事業費は、復興庁から各省を経由し、交付金として県や自治体の事業費が補助される。【泉谷由梨子】