原発事故 核心部分が未解明
福島原発ニュース
NHK NEWS WEB 2月10日
福島第一原子力発電所の事故は3基の原子炉でメルトダウンが起きるという世界に例のない事故だけに、全容の解明はきわめて難しい課題です。
原子炉を冷やせなくなり、核燃料が溶け落ち、放射性物質の大量放出に至った事故の経過は、これまでの調査である程度明らかになってきました。
しかし、何がメルトダウンを決定づけたのかや大量の放射性物質はどこから、どのように放出されたのかなど、事故の核心部分でさえ、3年たった今も未解明の問題が多く残されています。
福島第一原発の事故を巡っては、当事者の東京電力のほか、政府や国会、それに民間の有識者などが調査や検証を行う委員会をつくり、事故の経過や取られた対応を調べてきました。
これまでに、1号機では、津波で電源が失われ計器類の確認ができないなか、発電所の対策本部が「非常用復水器」と呼ばれる電源がなくても動く冷却装置が正常に作動していると誤って認識していたことが明らかになり、原子炉の冷却の遅れにつながったと考えられています。
また事故後しばらくの間、非常用の冷却装置が動いていた2号機と3号機でも、その後、消防車などによる注水に切り替えて原子炉を冷やそうとした際、十分に水が入るよう原子炉の圧力を下げる装置が機能せず、作業に手間取ったり、水が配管の抜け道から漏れたりして冷却が遅れたことが明らかになっています。