魚肉、筋繊維まで刻んで洗えばセシウム95%除去 東大
福島原発ニュース
日本経済新聞 2012年2月20日
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819595E3EBE2E2988DE3EBE2E0E0E2E3E086989FE2E2E2
東京大学の渡部終五教授は魚肉の筋繊維を細かく切れば、水洗いによって放射性セシウムを最大で95%除去できることを実験で確認した。魚の体内に入り込んだセシウムの大部分は筋肉に蓄積するが、細かく切って水との接触面積を増やせば効果的に除去できることが分かった。かまぼこなど練り製品の安全性向上の参考になるとしている。
渡部教授らは福島県いわき市周辺の沿岸で、かまぼこの原料になる「ニベ」という魚を捕獲して実験した。ニベの肉を包丁で細かく切り、さらにホモジナイザーと呼ぶ装置で筋繊維を細かくすり潰した。540ミリリットルの水に浸し、かき混ぜて洗ったあと後遠心分離機で水分を飛ばした。水洗いは3回実施した。
放射性物質検出装置「イメージングプレート」を使い、セシウム含有量の変化を測定した。水洗いが1回だけだと30%程度のセシウムしか除去できなかったが、3回実施すると95%を取り除けた。もとの魚の汚染度合いにもよるが、かまぼこなどの汚染は比較的回避しやすいとみている。