事故後6年帰宅不能なら全額賠償 政府が基準 避難者の住宅や土地
福島原発ニュース
日本経済新聞 2012/7/20
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2000L_Q2A720C1MM0000/
政府は20日、東京電力福島第1原子力発電所事故の避難区域にある不動産の賠償基準を発表した。6年以上帰宅できない避難者の住宅や土地は全額を賠償する。帰宅できない期間が2年以上になる場合は1年ごとに賠償を上積みする。いずれの区域も事故前の価格を基準に賠償する。
政府は蓄積した放射線量に応じ、「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」の3区域に福島県内の避難区域を再編している。
今回の政府が決めた指針では不動産の賠償の支払いについて「帰還困難区域」は全額を一括に前払いする。「居住制限」は約半額、「避難指示解除準備」は約3分の1を事前に払う方針だ。
また、家屋の賠償額の算定方法は「事故前の固定資産税の評価額をもとに算定」「新築で買う相場から算定」「不動産鑑定士が評価」の3方式から避難者が選べるようにした。双葉町などの地元自治体の要望にこたえた。
家屋に残った家具やテレビなどの家財の賠償では、両親と子ども2人の4人家族の場合、「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」では一律で505万円を支払う方針だ。「帰還困難区域」の家財の賠償額は675万円とした。
枝野幸男経済産業相は「避難の長期化を見据えて地方自治体と意見交換し、最大限の意向を取り入れた」と強調した。