福島第1原発事故 虚偽説明「故意でない」 東電上層部の関与否定−−第三者委報告
福島原発ニュース
2013年03月13日
東京電力福島第1原発事故を調べた国会の事故調査委員会が、東電の誤った説明で1号機の内部調査ができなかった問題で、東電が設置した第三者検証委員会は13日、「(虚偽説明は)故意ではなく、上層部の関与はなかった」などとする報告書をまとめ、広瀬直己社長に提出した。広瀬社長は「こうしたことを繰り返さないよう、改めるべきところは改めたい」と話した。
この問題は先月発覚した。昨年2月、国会事故調の委員が1号機の事故原因の焦点となっている非常用復水器(IC)を調べるため、原子炉建屋4階への立ち入り調査を東電に要請した際、対応した玉井俊光企画部部長(当時)が「(建屋内は)真っ暗」と説明。委員は「危険」と判断し、調査を断念した。しかし実際には自然光などがあり、東電は「部長の事実誤認で、意図的ではなかった」と釈明していた。
検証委は田中康久・元仙台高裁長官ら3人の弁護士。勝俣恒久会長(事故当時)ら延べ26人への聞き取りや、社内メールなどで経緯を検証した。その結果、「調べれば露見する嘘を言う必要はなく、故意にうその説明をしたとみるのには無理がある」と分析。玉井部長が「勘違いにより」誤った説明をし、経営陣らの関与はなかったと結論づけた。
一方で「早い段階から上司に相談し指示を受けるべきだったが、国会事故調への協力の指示が社員間に徹底されていなかった」と指摘した。
毎日新聞 東京夕刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130313dde001040042000c.html